好調のときは 何もかも うまく行く

                            宮垣実自戦記

家田隆二八段 vs 宮垣実

 三子局
コミ30目黒貰い

  2004年8月5日 於ランカ
  96手完 白投了

 今まで、三子局から六子局まで、気分で置き石を変えてきた。
今日は三子。
「コミ40目と言いたいところだが、30目で」と申し上げて、
コミ30目貰いでお願いすることにした。

でも、コミを意識しないで打とうと、盤に向かった。

不思議なことに、
いつの間にか形勢が良くなって、先生が
「あれっ コミが無うても負けとるンと違うか」と言われて、
「こりゃあかんわ」と投了された。
周りの観戦子からも「投了やむなし」の空気が漂うてきた。

どうも、先生ご自身、戦う意欲が薄かったように感じられた。

問題は黒40の一着。
観戦子から「地だけの手で、何の得策もないパスのような手」と
指摘されて、なるほどと思ったが、
打っているときはすこぶる付きの好点と自信満々だった。
ひょっとしたら「布石の手止まり」というやつで、
棋理を超えた好点だったのかも・・

黒44も凝り形でどうだったと自問している。

今日は不思議と攻められる黒の集団が出来ないまま
局面が進行しているのが不思議なほどだった。

黒84はこの黒5〜6個の集団が活きる形を求めて動いたのが
図らずも先手になって、繋がってしまったのが望外。

好調の時は何でもない手が好手になることがある・・・
そういうことを初めて実感として、体験した。

先生に「投了」と言われて、いろいろ感じた。

勝負事は大勢が決まったら、いつまでも頑張らないで、
いさぎよく「参りました」と言って、投了する方がマナーとして褒められる。
確かに相手のミスを待つような敗者の態度は醜いけれども、
そうとばかり言えない一面があるようにも思う。


果たして 正解は如何に?



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